「ニュー・ルック」の旋風
メゾン「クリスチャン・ディオール」がオープンしたおよそ2カ月後の1947年2月12日、初めてディオールのコレクションが発表されました。
ディオールが名付けたコレクション名は「花冠」。
後に「ニュー・ルック」と呼ばれるようになり、世界に一大旋風を巻き起こします。
「ニュー・ルック」は、戦争で完全に失われてしまったフランスのモードを完全に取り戻すものでした。
グラマラスなバストラインとくびれたウエストを強調したフェミニンなラインで、スカートのシルエットはふんわりし、丈は長めです。
ディオールが提案した新しいスタイルは、ボックス型のジャケットに短い丈のスカートに収まっていた女性たちを野暮ったく見せるようなものでした。
戦争後で物資が不足する中で、ディオールのエレガントなスタイルは、あくまで貴婦人のためだけに提案されたこともあり、物議を醸しました。
お金のない女性たちはディオールの服を身にまとう女性を攻撃し、街中で頻繁に暴力沙汰が起きていたとも言われています。
しかし「モード」という点でディオールが新たな時代築いたことは事実であり、特にアメリカのファッション誌では絶賛されました。
ファッションショーを開く前、ディオールは自分のスタイルが受け入れられるかどうか、自信がありませんでした。
しかし、このコレクションを境に、自分の直感のみを信じ、次々に新しいスタイルを提案していきます。
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