ディオール、突然の死
1957年、メゾン「クリスチャン・ディオール」は10周年を迎えました。
10年間、彼のドレスは売れ続け、いちメゾンを立派な企業に成長させたのです。
この業績を誰もが称え、アメリカの経済有力紙「TIME」はクチュリエであるディオールをカバーに選出しました。
しかし実はその陰で、ディオールの体調はどんどん悪化していました。
彼は、太り気味の傾向にありました。
それは、不摂生によるものです。
大の美食家で、医者からは頻繁に摂生するように注意されていました。
しかし、企業が大きくなればなるほど彼はストレスから逃れられなくなり、暴飲暴食に走ることを止められなくなっていたのです。
気がつけば、肝臓にかなりの負担をかけ、生きるためにダイエットが必要になっていました。
彼は、10周年を境に、本気でダイエットに取り組む決心をしました。
但し、それでは少し遅すぎたようです。
1957年10月23日、イタリアの保養地・モンティカティーニで、彼は就寝前、椅子に座ったまま、ひっそりと息を引き取りました。
すぐに医者が呼ばれましたが、もう手遅れでした。
このディオールの突然の死に、彼のメゾンを愛する者だけでなく、世界中に衝撃をもたらしました。
彼の遺体は数日後、メゾン「ディオール」設立に出資したマルセル・ブサックによりイタリアからフランスに運び出され、現在、彼は、彼が愛したカリアンの地で永眠しています。
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