シルエットの変化
クリスチャン・ディオールは、自身が理想とする女性像を次々にファッションに反映していきました。
彼にとっての理想形は、フランスで「古き良き時代」と言われる、ベル・エポックの時代(19世紀末から20世紀初頭)にインスパイアされたものです。
ですから、彼のスタイルの原点は、古いものを戦後のニーズに合わせてリニューアルしたもの、といえるでしょう。
彼は、次々に新しいスタイルを発表し、その都度、センセーションを巻き起こしました。
1954年頃まで、彼は「ニュールック」を応用して、更に進化させたスタイルを次々に提案します。
1952年に、彼はロング丈スカートを一気に40cm短くした新作スカートを発表、その後、1953年には全体的にふんわりとした「チューリップライン」を発表しました。
そしてその後、ウェストを絞った「ニュールック」をやめ、新しいスタイルに以降していきます。
1954年以降のディオールは、もっとウェストをゆったりとしたラインにシフトしました。
それでも、基本的な「エレガンス」「女性らしさ」という視点は変わりません。
1954年にはウェストをすっきりさせた「Hライン」、1955年には上から下にかけてのシルエットが広がる「Aライン」と、スカートラインをすっきりさせた「Yライン」を発表し、これらもまたファッションの世界で賞賛されることになりました。
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