マルク・ボアン(Marc Bohan, 1926年8月22日~)
1960年、イヴ・サンローランは、故郷アルジェリアの独立戦争に徴兵されました。
そして、サンローランに代わってクリスチャン・ディオールのトップに就任したのは、マルク・ボアンです。
彼は1958年に正式にディオールの一員となり、ディオールの死後、ロンドンとニューヨークの店舗を任されていました。
そして1960年、彼はパリに呼び戻され、正式にチーフデザイナーに就任することになったのです。
ボアンは、ディオールに来る前から相当なキャリアを積んでいました。
1945年~1949年にはロベール・ピゲでアシスタント・デザイナーとして働き、その後、複数のメゾンを転々とし、クチュール界の巨匠、ジャン・パトゥの元でオートクチュールのデザイナーをしていました。
ですから、実績としては文句ありません。
結局、サンローランが戦争から帰ってきてもボアンはチーフデザイナーのポストに留まり、その後およそ30年にわたり、ディオールに貢献しました。
彼は、1967年にディオールから本格的にプレタポルテラインを始め、同年には子供向けの「ベビー・ディオール」を、また1970年にはメンズライン「ディオール・ムッシュー」をスタートさせ、企業の更なる拡張に成功しました。
彼のシンプルさと成熟した大人のイメージを何よりも大切にしたデザインは、グレース・ケリーやエリザベス・テイラーなど、多くの女優に愛されていました。
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