弟子・イヴ・サンローラン
1955年、クリスチャン・ディオールは、19歳の新人デザイナーを雇い入れました。
イヴ・サンローランです。
サンローランは、ディオールの一番弟子にして唯一の弟子になりました。
当時のサンローランは、「シャンブル・サンディカ・ファッションスクール」を出たばかりで、ファッションデザインコンテストのドレス部門で優勝をしていました。
とはいえ、まだデザイナーとしては無名です。
ディオールは、早くから彼の才能に目をつけ、彼を雇い入れたのです。
彼がディオールに加わった最初の年、ディオールは彼に単純なスタジオのデコレーションやアクセサリーデザインばかりを担当させていました。
やがて、ディオールは彼にスケッチをすることを許可し、徐々に彼に自由を与えていきます。
1957年には、ディオールのファッションショーで、サンローランのスケッチが35点も採用されました。
このことが、サンローランのキャリアに弾みをつけます。
ところで、ディオールがサンローランを雇った直後、彼はサンローランの母親に会って、「僕はあなたの息子を立派に成功させるために雇いました」と伝えました。
当時、ディオールはまだ52歳の若さで、母親は何故、彼がそんなことを言うのか、理解できませんでした。
しかし、その2年後、ディオールは心臓発作で急逝します。
1955年当時のディオールは、無名のサンローランを既に後継者に見据えていたのかもしれません。
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